にじ父です。
2019年のゴールデンウィークは2度目の子連れ台湾旅行に行ってきました。
今回は台湾新幹線の「高鉄3日パス」をとことん利用しようと思っていたわけですが、かなりの大失敗をしてしまいました。
台湾高速鉄道(台湾新幹線)
台湾高速鉄道は台北市の南港駅から高雄市の左営駅までの345kmを最高速度300km/h、ノンストップ便では所要時間約1時間30分で結ぶ高速鉄道です。日本の新幹線の車両技術を導入した初めての事例ということで、外観も内装も日本人になじみ深い車両となっています。このため「台湾新幹線」と呼ばれたりしているそうですが、現地では「台湾高鉄」「高鉄」という名称が一般的です。
開業当初(2007年1月)は板橋・左営間の運転でしたが、同年の3月には台北・左営間が正式に開業、2016年7月には台北から約10KM延伸し、南港が始発駅となりました。
「高鉄3日パス」
台湾新幹線では国外からの旅行者用に「高鉄3日パス」という3日間新幹線に乗り放題の切符が2,200元(8,140円)、子供は1,200元(4,440円)で販売されています。
台北⇔高雄の往復が2,960元なので、往復するだけでもこちらの「高鉄3日間パス」を購入する方が安いという嬉しい価格設定です。
今回の旅行では、この「高鉄3日パス」を思いっきり活用したいという考えが初めにあり、始発駅である南港駅に直結するコートヤード台北に宿泊することになりました。
コートヤード台北に関する記事はこちらをどうぞ。
①購入方法
利用にあたっては、出発前に日本から購入しておくのが便利です。
我が家ではVELTRAを利用しました。
ちなみにVELTRAとは、14,000種類以上の海外オプショナルツアーを予約できる現地ツアー専門サイトです。
観光ツアー、世界遺産観光、マリンスポーツ、ダイビング、ゴルフ、スパ・エステ、ディナークルーズ、ショーエンターテインメントなど海外現地で参加可能な幅広いジャンルが充実しています。
大人2名×2,200元+子供2名×1,200元=6,800元(約27,000円)でした。
購入後、メールでバウチャー(引換券)が送られてくるので、できれば印刷して持って行きましょう。
※スマホでも大丈夫のようですが、もしトラブルでネット接続できないといけないので。
なお、KKdayというオプショナルツアー販売サイトでも購入可能です。
金額もほぼ変わらないと思います。(台湾ドルと日本円の違いがあるのでパッとわかりませんが。)
②引換方法
高鉄の窓口にバウチャーを持って行ってチケットと引き換えます。
この際に利用者全員分のパスポートも必要となります。
我が家は4人分でしたが、窓口の順番を待っている時間と発券待ちで10分近くかかりました。利用直前ではなく、前日とか1時間くらい前までに発券しておく方がおすすめです。
引換の際は利用開始日を聞かれますのでしっかり伝えましょう。
③利用方法
指定席を利用する場合には高鉄の窓口で予約をします。
これは最初にチケットを発券する時点でも可能で、期間内の日程であれば、どの区間の指定席でも、複数区間でも指定可能です。
(例:南港駅の窓口で、台中→台北(南港を利用しない)といった指定席でも指定可能。)
こんな感じで指定されます。印刷されたものを貼ってもらうこともあれば、手書きで書かれることもあるようです。
ちなみに高鉄の窓口は高鐵售票處(HSR TICKETS)というところです。
この写真は台中の写真ですが、「當日票(Todays ticket)」「預售票(advance Purchase)」という窓口はかなり混んでいました。
時間がかかりそうだったので、この窓口の反対側にあって、ガラガラだった「定期票(Periodic Ticket)」「回數票(Multi-Ride Ticket)」の窓口で訊ねたら、そちらで席の指定も可能でした。指定席を利用される方はそのあたりもご考慮ください。
乗車の際は、有人改札でパスとパスポートを提示して入場します。
kkdayのHPから引用
台鉄台中と高鐵台中の移動で大失敗
さて、この「高鉄3日パス」はとても便利なものでしたが、使う人間が失敗してはどうしようもありません。
①台鉄台中 ≠ 高鐵台中
パス利用初日に台中到着後、帰りの新幹線の指定席掲示板を見ると徐々に埋まってきている感じ。帰りは指定しておかないと高雄や台南からの利用者が多いので、自由席では座れないぞと思い、16時頃の便を指定しました。
5時間ほど台中で遊んで、新幹線の時間が近づいてきましたが、実は台中の中心部である台鉄台中駅と新幹線の台中駅(台鉄「新烏日駅」)はかなり離れています。新横浜と横浜といったところでしょうか。
タクシーを使わず、せっかくだから電車で向かってみようと考えたのが失敗の始まりでした。
②普悠瑪は急に止まらない
駅に入ってきた電車に何も考えず、というかどの電車に乗ってもどうせ新幹線の駅には停まるだろうと安易な気持ちで、妻の制止を振り切って乗ってしまった列車がこちら。
そう「普悠瑪」号、台鉄の特急列車です。
扉が閉まった後、すぐに嫌な予感が立ち込めてきました。
そして新幹線の駅である「新烏日駅」はあっという間にスルー。
どこの駅で停まるんだと慌ててスマホで時刻表を調べてみると…
「台中」の次はまさかの「台南」でした。
1時間23分ノンストップです。
実に真ん中の赤丸から下の方の赤丸までの大移動です。
ちなみに青丸が南港。ほとんど同じくらいの距離です。
③満席の車内に立ち尽くす家族
こうなったら諦めてお金を払って、空いている席に座るしかないと思いつつも、空いている席は優先席と書かれた2席のみ。これに座っちゃうと本格的に罰金を取られるかもと、とりあえず子供には3DSをさせつつ、運転席のすぐそばの車掌室前で車掌さんが帰るのを立って待つこと45分。
ようやく車内販売の女性がやってきました。この方に事情を説明したところ、すぐに車掌さんを呼び出してくれました。
④切符なしでの乗車は50%の加算金が必要
車掌さんは事情を理解してくれて、子供を優先席に座らせてくれましたが、規則ですので当然運賃と加算金(50%)を徴収されました。せめてカードでと差し出すもやはり現金オンリーでした。
大人が運賃363元+加算金182元の545元。子供が運賃182元+加算金91元の273元。4人で1,636元(6,050円)の痛い出費…。高鉄3日パスでのお得がぶっ飛んでしまいました。
それにしてもこんな領収書を貰った日本人もそういないでしょうね。
ただ、車掌さんや車内販売の女性はとても親身になってくれて、台南で同じホームで次に来る列車に乗って、沙崙という駅で降りればそこが新幹線の台南駅だということを教えてくれて、台南の駅員さんにも連絡していてくれました。どうもありがとうございました。
⑤台鉄台南 ≠ 高鐵台南
さて、台南駅に到着し、乗ってきた普悠瑪号ともさよならです。
実は翌日、また高雄まで新幹線で行き1泊する予定だったので、いっそこのまま高雄まで行ってしまおうかという思いも頭をもたげましたが、南港のホテルに荷物や着替えがあるし、追加のホテル代が発生するのでそれは諦めました。
この後、同じホームに来た沙崙線に乗り、終点沙崙を目指します。
台中と同じくこちらも新幹線と台鉄の台南駅はだいぶ離れています。
ちなみに車内で、紙の切符を購入しました。確か家族4人で70元(260円)くらいでした。
⑥沙崙について行ったこと
沙崙に到着し、急いで新幹線の駅へ向かおうとしましたが、一つだけ絶対にやっておかなければならないことに、はたと気づきました。
それは悠遊カード(SuicaのようなIC乗車券)の入場記録の消去をお願いすること。
もしこのまま台北まで戻れば、台中駅で入場した記録が残り、次の利用時にべらぼうな額の料金を払わなければならなくなるおそれがあります。
※台北で翌日に事情を説明するのは自分の語学力ではまず不可能です。
切羽詰まっていた割にはよく冷静に考えられたなと、ここだけは「自分で自分を褒めてあげたい」気持ちでした。(もちろん家族は疲れ切っており、誰一人褒めてくれなどしませんでした。)
その後、急いで新幹線の台南駅に移動し、指定席の予約を試みましたが、やはり以後の指定席に空きなどあるわけもなく、そのまま自由席に乗りなさいと言われました。
直近で来る新幹線の自由席に一縷の望みを抱きつつ待つと、やはり満席。次の駅(本来乗車するはずだった台中)でたくさん降りるかもと願うも、恐ろしい数の人が乗ってきて車内は大混雑。通路から動くことすらかないません。
ただ、娘一人座れたのが不幸中の幸いでした。
ここでも息子には3DSをやらせつつ、何とか我慢してもらい、ようやく台北に戻ってきたのは、当初予定(17時13分)の1時間44分後。
思っていたよりは早く戻って来られました。
これは停車駅の少ない便に乗れたので、台南から台北が1時間半足らずだったため。10分遅い次の便だと2時間かかります。
ただ停車駅が多い方がひょっとしたら座るチャンスは多かったかもしれませんが、とりあえず早く帰れたことに越したことはありません。
⑦台北駅にて
さて本当は台北では行きたいお店があったのですが、疲れていたので、駅の2階にあるお店で簡単に食事をし、
1階のお弁当屋さんで明日の朝食を購入しました。
そして台北駅からはせっかく3日パスがあるので、新幹線で南港へ。
車内はガラガラで、ようやくゆっくりと新幹線に座ることができました。
まとめ
とんでもない大失敗はしましたが、子供たちに台湾での思い出を聞くと、最初に上がるのが、この父親の失敗談です。
型にはまった旅行よりもこうしたトラブルの方がきっと将来も心に残るのでしょうし、海外では親もありえない失敗をする姿を目にすることが、子供にとってはいい勉強、いい刺激となっていることを祈るばかりです。
なお、前回の台湾旅行では、十分からの帰りの電車で反対方向に乗り1時間のロスという経験をしています。
次回の旅行では、飛行機に乗り遅れるという感じで、失敗のスケールが大きくなるんではと、妻が戦々恐々としています。
皆様におかれましても、くれぐれもお気を付けください。